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普段から食べている食事の中で、皆さんが美味しいと思う基準とはどのようなものでしょうか?多くのメディアやSNSなどで食に関する情報を提供していますが、昔と今では味に対する感覚が大きく変わり、喜ばれるものが変化してきたように感じます。

 

歳を重ねると、一般的に濃い味からあっさりとした味へ味覚が変わると思われていますが、その反対に、最近では中高年になって濃い味を好むようになる方が増えてきました。

 

それではなぜ、私達の味覚は変化していくのでしょうか?今回は食事と味覚の関係についてご紹介していきます。

味覚とは

赤ワインと料理

私たちが感じる味覚には、大きくわけると甘味、酸味、苦味、旨味、塩味の5つの基本味「五味」が存在します。

 

五味の代表的な物を、食べ物を使いわかりやすく説明するとこのようになります。

 

甘味・・・・砂糖、チョコレート、ケーキ、アイス、etc。

塩味・・・・塩、フライドポテト、ポトフ、醤油、味噌、etc。

酸味・・・・酢、漬物、パイナップル、ブルーベリー、オレンジ、etc。

苦味・・・・コーヒー、ビール、ふきのとう、たけのこ、etc。

旨味・・・昆布出汁、鰹節、etc。

 

私たちはこの五味を、舌にある味蕾(みらい)と呼ばれる味細胞の集合体で感じ、五味以外の味はこの味細胞以外で受容しています。代表的な例を挙げますと、辛味は味細胞ではなく、味蕾近傍の神経に作用する痛覚に近いもので、味覚ではありません。

 

この味覚を感じる味蕾(みらい)は、味細胞の集まりであり、大部分は舌の舌乳頭(ぜつにゅうとう)にあります。その他、軟口蓋や頬の内側にもあり、味蕾が食べ物や飲み物に含まれる化学物質を感知すると、それが大脳の味覚中枢へと信号が伝わり味を感じます。

 

味覚が変わる仕組み

舌を出す女性

 

味蕾の数は、いろいろな説がありますが、舌に約7000個、それ以外の部分には約2000個あると言われていますが、この味蕾の数は、年齢を重ねると減っていくのでしょうか?

 

例えば、年齢を重ね運動をするとすぐに息切れがしたり、今まで見えていたものが見えにくくなり、体の能力は弱くなっていきます。同様に、味蕾の数も中高年になるにつれ、細胞が減少したり、感度がにぶくなったりすると、少しずつ味がわかりにくくなります。

 

個人差はありますが、味覚の中で最も感度の低下を自覚しやすいのは塩味です。塩味の感度が低下すると、みそ汁などの味に物足りなさを覚える様になります。

 

もし、いつもと同じみそ汁を薄いと感じたら要注意です。料理の味が薄いと感じ、しょうゆやソースをたっぷりかけたりしていませんか?そのような状態ならば、塩味をはじめ、味覚の減退が起こっている可能性があります。

 

一般に味覚の感度が低下すると、無意識のうちに濃い味付けのものを好むようになり、塩分やカロリーの摂取量が増え、その結果、高血圧や肥満の一因ともなってしまうのです。

味覚の機能低下を補う食事

リンゴ

 

ここまで、味覚の低下は歳を重ねていく中で起きる現象として警告していますが、実は40代未満の方でも、味覚が低下しているという成人が増加しています。

 

近年の若者が食する食事の多くは、過剰な塩分や糖分の多い物がほとんどで、特に高級志向の脂が多い食べ物やお菓子でも、インスタグラムなどSNSで載せられているものの多くは海外系の物で、明らかに過剰な高カロリーの食品が殆どです。

 

こういう食品を、今までは成人してからある程度の年齢の方々が高価な物として食べてきましたが、近年、若い人々でも食べられるようになり、かなり幼い頃から食べさせている親が多くなりました。

 

子供と親が一緒に食べられることは良いのですが、実はかなり恐ろしいことをしている事に気づいてほしいのです。

 

人間は産まれてから、約3歳までに味のセンサーである、味蕾(みらい)が開発され、それが一生の味覚を決めます。その際、偏った味や強い調味料で味の付いたものを多く食べてしまうと、偏ったセンサーをもつ味蕾が形成され、成人として必要な味蕾の数に達しない可能性があります。

 

最近では、味蕾が不足している子が増加していると言われており、薄い味をもの足りなく感じ、濃い味を好むようになっているのが現状です。

 

外食や市販のお総菜、お弁当などは濃い味付けになっていたり、しょうゆやソースをたっぷりかけて食べていないでしょうか?これは実は高齢者の味を感じない状態と同じ状態であり、今後早いうちに味覚が衰える原因にもなります。

 

味蕾は3歳までに10000個近くに達成しないと、その時点の味蕾の量で味を感じて生活を送る事になり、成人になってからは増える事はなく、少しずつ衰えてゆきます。近年の人たちは味蕾が少なく、必然的に濃い味にしないと食べ物を美味しく感じない状態になっています。

 

決まってしまった味蕾の量を増やすことはできません。そのため、今存在している味蕾を生かすような食事を摂ることが必要です。味を感じにくいと思っても、上から足すような調味料の添加をできるだけ避け、食材その物の旨さを感じる調理方法で食事をしていくことで、味蕾の減少を抑えることができます。

 

また、味蕾の減少を抑えるには亜鉛という成分を多く含む食事をするといいでしょう。亜鉛が不足すると、味覚障害だけでなく、ストレスを感じやすくなり、イライラや不眠症になることもあります。

 

亜鉛はカキ、レバー、うなぎなどに多く含まれていますが、これは毎日のように食べる事はできません。日常の食事では、牛や豚のモモ肉、木綿豆腐、納豆、ゴマ、ナッツ類などを積極的に摂ることが大切で、生活習慣病などで薬を飲んでいる方も、亜鉛不足にならないように食生活を見直してみましょう。

 

味蕾は幼少期の食生活による影響が関係しています。食生活の環境により、味蕾の数が少ないことはもう変えられないので、ご紹介した減少を抑える方法をしっかり実践して頂くことが大切です。

 

味蕾の減少によるデメリット

悲しむ女性

 

これから食事をする時は、今までのように料理の上から足すような調味料の使用は避け、食材の自然の旨さで食べるようにすることと、できるだけ塩分や糖分を使用しない食事を心がけないといけません。

 

改善しない場合、若年症の味覚障害になり、美味しい食事を楽しむ時間を苦痛に思うようになってしまいます。また、味覚を感じなくなると、肥満だけではなく、高血圧や糖尿病、肝臓障害や腎臓障害に繋がり、年を取るたびに何らかの障害を併発する可能性が高くなります。

 

最近の調査では、人口甘味料や味の濃い食品を美味しいと思う若い世代にアンケートをしたところ、「塩味」「甘味」「酸味」「苦味」の4つの味の内、いずれかの味覚を正しく認識できない子どもが全体の約30%、そして21%が「酸味」を認識できないことがわかりました。

 

自分にも思い当たることがあれば、すぐに改善することが必要です。できるだけ早いうちに食生活の見直しを実施し、少しでも疑問に感じるのであれば、すぐに食生活を改善するか、病院での検査をすることをお勧めします。

 

 

おわりに

きちんとした食事をしていても味蕾は衰えていきます。子供の頃に食べられなかったのに、大人になってから美味しいと感じることがあります。その時に重要な味覚は、香りや風味です。成人になり味蕾が減少していくから、わさび、みょうが、パクチー、春菊などに含まれる香りや苦みなどを美味しいと感じるようになり、香りの強い物を好んで食べるようになるのです。

 

現代の子供たちが、このように香りや苦みなどを美味しいと感じるのは良いことかもしれませんが、実は通常よりも早く感じている場合があり、まさに味蕾の量が少ない現代人を象徴しています。ご自身にも思い当たることがあれば、ぜひ食材その物の旨さを感じる調理方法を取り入れてみてください。

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